「CONNECT⇄ 」(コネクト)は障害のあるなしに関わらず、さまざまな感性・特性を持つ人たちが芸術や文化、歴史に気軽にアクセスし、さらに参加した人たち同士がつながり合い、気づきを与え合う機会となることを目指すプログラムです。
美術館、劇場、図書館、動物園などが集まる京都の文化ゾーン、岡崎で、これらのユニークな施設がゆるやかにつながりながら、障害のある方が制作した作品の展示や、身体感覚をつかった作品鑑賞プログラム、岡崎地域をテーマにしたサウンドワークや戯曲のワークショップ、動画配信など、誰もが参加できるプログラムなどを開催します。
ひとりでも、だれかと一緒とでも。足を運んで楽しむもよし、自宅から参加するもよし。
「つながる」ことの意味があらためて問われている今だからこそ、ひらかれた文化施設のあり方、多様な人たちが共に生きる社会のかたちについて、みんなで一緒に考えてみませんか。
近年、「文化芸術基本法」、「障害者による文化芸術活動の推進に関する法律」をはじめとして国内での制度整備が進み、障害の有無を超えて共に芸術文化活動に参加・享受する活動が全国的に広がりを見せています。文化庁では、共生や文化の多様性について関心を深めることを目的とした展覧会「ここから展」を2016 年から4回にわたって国立新美術館(東京)で開催してまいりました。今年度はこの事業を京都で展開することといたしました。京都国立近代美術館がハブとなって、京都・岡崎地区にある府立や市立のミュージアムや劇場、図書館等が連携して、あらたな試み「CONNECT⇄ 」をスタートします。12 月の「障害者週間」(12 月3-9 日)にあわせて展示や参加型イベントなど多彩なプログラムを組んでいます。
今回のコンセプトは「ひらく」。障害者による芸術活動、また障害の有無を越えて共に芸術、文化、歴史を楽しむ活動について、「芸術」「身体」「デザイン」の3つの切り口から紹介します。京都の文化集積ゾーン・岡崎地区に立地するさまざまな文化施設がゆるやかに繋がりを持つことで、共生社会実現のための具体的な方策等について立場の違いを越えてともに考え、共通課題の洗い出しや取組みの更なる広がりが生まれることを目指します。
また、昨今の新型コロナウィルス感染症の拡大によって、文化施設へのアクセスや、文化芸術を介した人と人の関わり合いについて、新たな可能性を模索することが急務となってきています。本事業では当初、作品をふれて楽しむなど五感をつかった鑑賞ワークショップや特別支援学校の子どもたちとの特別プログラム等を企画していました。しかしコロナ禍において物理的な接触や密を避けるという観点から、いくつかのプログラムは実施を見送らざるを得ない状況となりました。こうした情勢を踏まえ、今年は「Online(オンライン:離れていてもつながる)」、「Offline(オフライン:集まってつながる)」、「Connect(コネクト:双方向につながる)」の3 つの方法から、各施設でのプログラムを実施することといたしました。2020年度の「CONNECT⇄ 」が、人と人、人と文化が「つながる」ことの意義とその方策について、障害のある当事者、文化施設のスタッフ、そしてアーティストらが共に考え、模索する最初の一歩になることを期待します。
2020年10月
文化庁・京都国立近代美術館
「CONNECT⇄ 」~ 芸術・身体・デザインをひらく~
会期:2020年12月3日(木)~20日(日)
会場:岡崎公園内各文化施設(京都市左京区)
料金:無料
主催:文化庁、京都国立近代美術館
共催:京都新聞
後援:京都府、京都市、京都岡崎魅力づくり推進協議会、KBS京都、エフエム京都
特別協力:NHK京都放送局
協力:京都市京セラ美術館、京都市動物園、京都府立図書館、ロームシアター京都、京都市勧業館みやこめっせ、kokoka京都市国際交流会館、日図デザイン博物館、一般社団法人HAPS(Social Work / Art Conference)、富士通株式会社、山口情報芸術センター[YCAM]
「CONNECT⇄ 」は過去に国立新美術館(東京)で開催された文化庁主催の展覧会「ここから展」の後続事業です。
「ここから展」は2016年秋に、「スポーツ・文化・ワールド・フォーラム」にあわせて、障害者のアートや障害者の支援を目指したデザインに関する展覧会としてはじめて開かれました。
それ以降、共生社会や文化の多様性について関心を深めることを目標に掲げ、4回にわたって開催を続けてきました。
今年度は、開催地を京都に移し、「CONNECT⇄ 」として実施します。
※「ここから展」についての詳細は「ここから展」HP(https://www.bunka.go.jp/kokokara-ten/)をご覧ください