京都市京セラ美術館では、「『CONNECT⇄__ 』 つながる・つづく・ひろがる」への参加にあたり、障害者アートあるいはアール・ブリュットという呼び方をそのまま受け取るのではなく、そう呼ばれるようになった経緯を遡り、より深く「つくる」について探ってみようと考えました。

そこで、「つくる」ことを専門とする人として中原浩大を迎え、「つくる」立場からさまざまな関係者を訪ね、多くのことを教わっていくプロジェクトを立ち上げました。それがトークシリーズ「実はよく知らないんだよ、だから聞いてみようと思う。(中原)」です。

このトークシリーズは、今年8月から11月にかけて5名の方々とオンラインで実施し、延べ10時間に及びました。これらトーク映像の記録は、現在、公開を目指して作業中です。

その一方で、「CONNECT⇄__」の展示期間には、同館「光の広間」にて、プロジェクトチームがトークシリーズをもとに制作した声と手話による映像を展示します。

流れてくるのは実際のトークでの音声です。しかし映像に映っているのは、その対話を手話で再現している聴覚に障害のある方々(ろう者)です。

中原浩大からバトンを受け取ったプロジェクトチームは、障害のある方々がこのトークシリーズや美術館へアクセスしやすくする試みとして、情報保障として補助的に用いるのではなく、手話が主役となる展示への展開を模索しました。

聞こえない方・聞こえにくい方々の手話による言語表現は、私たちが普段使っている日本語ともまた少し異なります。そのため、京都聴覚言語障害者福祉協会の協力のもと、あらかじめ文字に起こした原稿から、さらにろう者に伝わりやすい原稿に翻訳しなおし、元の原稿と翻訳された原稿を手掛かりに、練習を行い、実際の音声のスピードに合わせて収録しました。

4名の出演者と彼ら/彼女らを支援する方々との共同制作をとおして、私たち関係者は多くの驚きと気づきを得ることができました。

京都市京セラ美術館の今回の「CONNECT⇄__」では、トークシリーズの実施とそれをもとに制作した映像の展示を両輪に、障害のある人の「つくる」ことを巡る対話が、より広くひらかれていくことを目指します。

 

トークシリーズの記録映像の一部を京都市京セラ美術館のYouTubeチャンネルで公開予定です。詳細はこちら→https://kyotocity-kyocera.museum/event/20211202-1219